研究課題
表面にナノ・マイクロメータレベルのテキスチャリング創成のニーズが増大し,光学レンズの回折効果の付加・色消し効果の付加,歯科用Tiインプラントの生体細胞融合性の向上,表示パネルの反射防止機能の付加,ソーラパネルの吸収率の向上,撥水性の向上など様々な効果が期待されている.従来の切削加工に比べて効率の悪い,量産性が期待できる.そこで変形加工の「ナノインデンテーション」に着目し,レーザ加工により単結晶ダイヤモンド等のマイクロインデンテータ(圧子)を創成し,超音波振動援用のナノインデンテーションシステムを開発し,超音波振動を付加することによる無電解Ni-Pなどの金属材料の高精度・高能率塑性変形メカニズムを解明し,加工条件を最適化し,微細で構造的な超精密形状の創成の高精度・高能率加工を実現する.最後にテキスチャリング付与の効果について評価した.2023年度は,水中ソーラパネルのテキスチャリングパターンが,フジツボなどの海洋生物の生体的付着の影響を調べた.各形状のダイヤモンド圧子を試作し,超音波援用インデンテーションにより微細金型を試作した.この微細金型により樹脂製のテキスチャリングパネルを加熱成形して試作し,テキスチャリングパネルを海水槽に沈め,フジツボの幼生を数百匹放ち,数日~1週間放置し,付着の確率を実験的に調査した.さらに,表示デバイスなどに向けて反射防止用のテキスチャのパターンの効果についてインデンテーションテストを行い,無電解Ni-P基板にV溝形状を転写し評価した.従来の無電解Ni切削面の加工精度(形状精度,表面粗さ,エッジの精度)を比較した.最後に,試作成形し,産総研の協力を得て,反射特性を光学的に評価した.以上のように,超音波振動援用によりダイヤモンド圧子によりテキスチャを高能率・高精度に転写できることを確認し,様々な応用分野で効果があることが明らかとなった.
令和5年度が最終年度であるため、記入しない。
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