ウィスカーやナノワイヤー成長のメカニズムであるVLS機構では、金属融液にケイ素を含む気体分子が溶け込む。これに対して固体シリコンを原料として金属融液への溶け込みが起こることを本研究では明らかにした。ケイ素の亜鉛融液への溶解は速やかではなく、接触していても濡れ性次第では溶解しないことも明らかとなった。また、シリコン固体表面からのウィスカー生成でも亜鉛液滴の濡れ性が鍵を握ることが分かった。いずれもただ接触させればよい、ということではなく液体と固体が接触する境界(界面)の制御が極めて重要であることを示している。界面現象にとっても新たな知見が得られた意義は大きい。
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