本研究では、高純度のウルトラファインバブル懸濁水サンプルを調製し、ウルトラファインバブルの生成と安定な存在状態を計測および分析を行い、ウルトラファインバブルの生成・安定メカニズムを実験的に解明する。 本年度は貧溶媒発泡法によるファインバブル生成をおこなうことにより、ウルトラファインバブルの水溶液中での生成メカニズムの仮説の実証を行うとともに、新しいウルトラファインバブル生成法を提案した。 (1)貧溶媒発泡法によるファインバブル生成 空気に対してエタノールは良溶媒で水は貧溶媒である。そこで空気飽和したエタノールと水を高速加振混合し、エタノールを貧溶媒化させ、溶解度低下により発泡させた。このとき混合速度が十分に速ければ生成する気泡サイズは縮小し、直径1μm未満の空気ウルトラファインバブルが生成する機構の仮説を提案し、その実証試験を行った。 まず容器内に上相:エタノール、下相:水となるように静かに注ぎ入れ、高速振とうを所定時間行った。その結果、貧溶媒発泡法によりウルトラファインバブルの生成を確認した。このとき完全混合時のエタノール濃度が20wt%および60~70 wt%で最も高い数濃度のウルトラファインバブル生成が観測された。さらに振とう時間の増加とともにウルトラファインバブル数濃度はほぼ比例して増加した。
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