研究課題/領域番号 |
20H02514
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
高見 誠一 名古屋大学, 工学研究科, 教授 (40311550)
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研究分担者 |
武田 志乃 国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構, 放射線医学総合研究所 放射線障害治療研究部, グループリーダー(定常) (00272203)
沼子 千弥 千葉大学, 大学院理学研究院, 准教授 (80284280)
佐藤 和好 群馬大学, 大学院理工学府, 准教授 (40437299)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 酸化物ナノ粒子 / 蛍光 / 細胞取り込み |
研究実績の概要 |
本年度は、希土類添加酸化物ナノ粒子の合成及び細胞への導入の準備を行なった。CeをドープしたLu3Al5O12及びY3Al5O12の水熱合成を行い、数十nm程度の粒子の合成、Ceのドーピングと蛍光挙動を確認した。さらに、合成温度・pH・添加するCeドープ量と結晶構造・蛍光との関係を明らかにした。生成したナノ粒子は焼成プロセスを経ていないため、合成場において細胞培養液中における分散を目指した表面修飾が可能であり、来年度以降に検証する。さらに流通式装置を用いたLu3Al5O12ナノ粒子の合成にも挑戦した。流通式装置を用いることで急速昇温が可能となり、ドープ量の増加が期待できる。本年度の実験ではLu3Al5O12の合成に至らなかったが、合成時間・合成温度を調整することでLu3Al5O12の合成を目指す。また、希土類元素や遷移金属を添加することで蛍光を発することが知られている酸化ガリウムナノ粒子についても、1000℃程度の焼成を必要とせずbeta-Ga2O3ナノ粒子を合成する条件を見出した。合成にはソルボサーマル合成法を用い、得られたbeta-Ga2O3ナノ粒子は焼成及び粉砕を必要としないため、数十 ~ 100 nm程度の大きさとなっている。その合成過程においては、Gaイオンが溶媒とまず反応し、これがgamma-Ga2O3を形成後、beta-Ga2O3となることがX線吸収微細構造測定より明らかとなった。今後、添加元素を加えて合成を行い、蛍光の有無を確認する。細胞へのナノ粒子の導入の準備については、細胞培養溶液中におけるナノ粒子の分散が必須であることから、Auナノ粒子をモデル粒子として用い、その表面化学構造を分散との関係を動的光散乱法を用いて評価する準備を行なった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
目的とした希土類添加蛍光酸化物ナノ粒子を合成できた他、細胞導入への準備を行なった。
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今後の研究の推進方策 |
来年度は、酸化ガリウムへのドーピングによる蛍光発現について検証するとともに、ナノ粒子分散液中で細胞を培養し、細胞中への取り込み、その可視化を目指す。
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