今後の研究の推進方策 |
第二年度では、上記の触媒設計指針を適用する反応系として、以下に示す2種の分子変換を対象とし、これまでに得られている知見等を最大限に活かした触媒設計を行う。これらの反応はいずれも、水素社会の実現や基幹化成品製造、環境浄化を推進する上で必要不可欠な触媒反応系であり、目標が達成された場合の社会的インパクトは極めて大きい。
(1)CO2を酸化剤としたプロパン酸化脱水素:本研究ではC-H活性化(Pt)とCO2活性化(Ni, Pd)のそれぞれを得意とする活性金属を設定し、さらに副反応を抑制するために活性金属アンサンブルを不活性な典型金属M(Zn, In, Ga, Sn, Pb等)で希釈する触媒設計を行う。第一年度での検討において既に、PtCoIn/CeO2の組み合わせが本反応に極めて有効であることを見出していた。第二年度では、さらに遷移金属側をPt, Co, Ni、典型元素側をGa, In, Snと更なる複合化を行い高性能化を目指す。具体的には触媒活性や耐久性の更なる向上を目指し、社会実装に耐えうるレベルの性能まで引き上げる。
(2)プロパン脱水素:これまでに見い出しているPtGa金属間化合物のPt側をPt, Co, Feで、さらに典型金属側をZn, Sn, Inでそれぞれ複合化することにより、耐久性の向上を目指す。それにより、従来の耐久性(数日程度)を超える高耐久な新規触媒を開発する。
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