研究課題/領域番号 |
20H02522
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
永岡 勝俊 名古屋大学, 工学研究科, 教授 (90381029)
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研究分担者 |
佐藤 勝俊 名古屋大学, 工学研究科, 特任准教授 (30586607)
松村 晶 九州大学, 工学研究院, 教授 (60150520)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 高温還元 / ナノフラクション / アンモニア / 水素 / 希土類 / BaO |
研究実績の概要 |
我々は,Ru/Ba0.1La0.45Ce0.45O2が温和な条件でのアンモニア合成で極めて高い活性を示すことを見出した.この触媒では,高温水素処理した際に,希土類酸化物やアルカリ土類金属酸化物が移動しナノフラクションとしてRuナノ粒子に堆積する現象により高活性が発現することを見出している.本研究では,この現象の学理解明に取り組み,以下の研究成果を得た. B.元温度がアンモニア合成活性に及ぼす影響の検討 Ru/Ba0.1La0.45Ce0.45O1.68,Ru/Ba0.1La0.9O1.45,Ru/Ba0.1Ce0.9O1.9について,700℃還元温度に触媒のキャラクタリゼーションを行った.その結果,Ru/Ba0.1La0.9O1.45については,触媒担体の焼結が起きていることが分かった.また,XRD測定の結果,Ru/Ba0.1Ce0.9O1.9では,BaCeO3の形成が見られ,希土類とBaが複合酸化物を形成することが分かった.一方,Ru/Ba0.1La0.9O1.45では,複合酸化物相の形成は見られなかった. C.In-situ STEM-EDX-EELSを用いた高温還元時の触媒の形態と状態変化の解明 Ru/Ba0.1Ce0.9O1.9ではRu粒子の焼結があまり進んでいないのに対し,Ru/Ba0.1La0.9O1.45ではRuの焼結がかなり進んでいることが分かった.還元後の触媒について,大気に触れると酸化により触媒の形状や状態が変化し,還元後の触媒の正しい情報が得られない可能性があった.そこで,特殊なサンプルホルダを用いることで,大気非暴露のままSTEM観察を行うことに取り組んだ.その結果,Ru/Ba0.1La0.9O1.45では,ナノフラクションがRuナノ粒子を覆っている様子が見られた.さらにナノフラクションの組成を調べたところ,Ba,La,Oが含まれており,ナノフラクションの構成成分は触媒担体であることが明らかとなった.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
計画書に記載した通りの実験を行い、予定通り研究が進捗したため,順調に進展していると判断した.
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今後の研究の推進方策 |
研究計画書に記載した通り、以下の事項について検討する. B. 研究室の分析装置を用いた還元中の触媒の特性変化の解析 C. In-situ STEM-EDX-EELSを用いた高温還元時の触媒の形態と状態変化の解明 D. In-situ XAFS、XRDを用いた高温還元時の触媒の局所構造変化の解明
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