研究課題
1)フッ素ドープSnO2導電性ガラス(FTO)に金-酸化タンタル(Au/Ta2O5)を固定化した光アノード電極(Au/Ta2O5/FTO)を作製し,可視光照射下で光電気化学的な水分解反応を検討した.作製した電極を走査型電子顕微鏡、透過電子顕微鏡、X線光電子分光器、X線吸収微細構造分光器で評価したところ,厚さ約 3 μmのTa2O5層と平均粒子径 6.4 nmのAu(0)粒子を有するAu/Ta2O5/FTO電極が構築されていることがわかった.Au/Ta2O5/FTO電極を作用極として,単色光照射下で電流-電位曲線を測定したところ,0.5 V vs. RHE以上電位を印加した際にAuのSPRに誘起される光応答を示した.また,可視光照射下,Pt対極に用いて0.8 V vs. RHEの印加電位を与えて水分解を検討したところ,H2とO2が連続的にかつ量論的に生成することがわかった.2)支持体に対するAuの修飾面が光触媒活性に与える影響を調査した.チタン酸ストロンチウム(SrTiO3, STO)にアルミニウムをドープしたSTO:Alは異なる特定の結晶面が露出した結晶癖のある微粒子であり,励起された電子と正孔がそれぞれ 1 0 0面 1 1 0面に選択的に移動する異方的電荷移動という現象が生じる.コロイド光電着法(CPH)法と塩析(SO)法でSTO:AlにAuを修飾し,それぞれの水の酸化活性を調査したところ,CPH法で調製した触媒がSO法で調製した触媒よりも約3倍高い活性を示した.それぞれの触媒をSEMで観察したところ,CPH法で調製したAu/STO:AlはSTO:Alの 1 0 0面に選択的にAu粒子が修飾されていたのに対し,SO法で調製した触媒はランダムにAu粒子が修飾されていたことから,Au粒子を修飾する面の選択性が光触媒性能に影響をおよぼすことが示唆された.
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
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