研究課題/領域番号 |
20H02541
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
福崎 英一郎 大阪大学, 工学研究科, 教授 (40273594)
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研究分担者 |
PUTRI SASTIA 大阪大学, 工学研究科, 助教 (50729796)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | metabolomics / metabolic profiling / food metabolomics / Tempe / fermented food / sensory evaluation / regume / soy bean |
研究実績の概要 |
テンペは、大豆や大豆以外の豆類から作られるインドネシアの発酵食品である。大豆以外の豆類を原料とするテンペは、大豆を原料とするテンペとは異なる栄養プロファイルを持つことが報告されている。しかし、豆類を原料とするテンペの代謝物および官能プロファイルに関する包括的な研究は行われていない。本研究では、メタボロミクス的手法を用いて発酵前後のマメ科植物の代謝物プロファイルと官能プロファイルとの関連性を検討した。赤インゲン豆、大豆、ササゲ、ジャックビーンという4種類の豆類と、上記の豆類から調製した4種類のテンペをガスクロマトグラフ質量分析法(GC-MS)で分析対象とした。これらのテンペは、日本とインドネシアの 2 つの異なる生産地で発酵させたものである。全サンプルから合計 83 種類の代謝物がアノテーションされた。主成分分析(PCA)により、試料はその種類(マメ科とテンペ科)に応じて第一主成分に沿って36.3%の分散で分離され、その中で糖とアミノ酸が分離に大きく寄与していることが示されました。また、生産地の違いにより 第2主成分 に沿って 17.2%の分散で分離した。大豆 75% とインゲン豆 25% の組み合わせ(75S:25R)により、大豆テンペで当初低かったアミノ酸濃度を高めることができた。75S:25Rのテンペは、官能検査の結果、100%大豆のテンペと比較して、味と食感の好みに有意差は見られなかった。これらの結果は、メタボロミクスを利用して異なるマメ科植物由来のテンペの違いを特定できる可能性を示す証拠となる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
2020年度初頭にコロナウイルス感染症の影響を受け,海外共同研究者(インドネシア)が研究活動が極端に制限される状況に陥った.そこで,海外共同研究者の助けが必須の研究部分について2021年度実施とする計画を立案し,研究費の一部を繰り越した.幸い,インドネシアの研究環境も徐々に回復したため,当初予定していた品質の研究をほぼ実施することが出来た.
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今後の研究の推進方策 |
2020年度に計画していた研究は概ね実施することができたので,2021年度は当初の予定に従って研究を実施する.
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