研究成果の概要 |
量子ネットワーク形成を念頭に外乱に強い量子チャネルを構築するために, 現行の光通信網との整合性が高い量子ドット内蔵型光ファイバーデバイスの開発を実施した. 偏波面を直交させた単一モード偏波ファイバーに2層構造のワイヤーグリッドを半導体量子ドット成長膜へ2層構造のワイヤーグリッドを作製し, 接合面での偏光乱れを抑制した. 数値シミュレーションによる構造の最適化を行い, 4桁の消光比を達成した. また, 位相安定化を施した単一光子と真空場のエンタングルメントを用いたシングルモードテレポーテーション実験系を構築した.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
量子ネットワークの形成には, 環境擾乱に対して強固な量子チャネルの開発が必要不可欠である. 本研究ではこの課題に対し, クロスニコル型量子ドット結合光ファイバーデバイスの開発を実施し, 光子数状態生成源の量子性を高め, シングルモードテレポテーションの原理を基に, 真空場と単一光子による量子もつれ状態を形成させ, 環境擾乱への耐性を精査した. 本研究を通して, 現行の光ファイバー通信網を利用した量子チャネルの実装に向けた, ローコスト且つ高耐久な光ファイバーデバイスの実現の可能性を示した.
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