本研究課題では, 大規模第一原理電子状態計算手法と動的モンテ・カルロ (kMC) 法、機械学習原子間力場による分子動力学法などを組み合わせたマルチ・スケール・シミュレーションにより、メタノール合成触媒などで重要なCu表面上のステップの揺らぎ、CuZn表面合金の形成過程、COガス雰囲気下でのCu表面上でのCuクラスターの形成過程のシミュレーション、さらには自動車排ガス触媒で重要な酸化物に担持されたPdクラスターの温度と雰囲気ガスによる構造変化のシミュレーションに成功し、これらの現象の物理的要因を明らかにした。 これらは複雑な実触媒の反応機構をシミュレーションで解明する端緒となる成果である。
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