研究課題
基盤研究(B)
ミトコンドリアへのタンパク質搬入ゲートTOM複合体の過剰発現株を構築し、精製試料を用いてHS-AFM解析を行った。精製TOM複合体は溶液中で3量体構造をとり、安定なコア2量体と単量体へ解離しやすいことが示唆された。さらに観察中のTOM複合体に基質タンパク質を添加し、両者の相互作用をリアルタイム観察する実験系を確立した。様々な基質タンパク質を用いて、TOM複合体による基質認識領域の同定を試みている。
構造生物化学、生化学、ナノバイオサイエンス
TOM複合体は3量体と2量体の二つの分子種が混在した不均一状態であり、TOM複合体の機能の実態に迫るには、狙ったフォームだけを取り出して1分子解析する新規手法の確立が必要である。我々はHS-AFMを用いて3量体TOM複合体の解離と基質認識機構を観察し、従来手法では解析することの難しかったTOM複合体のダイナミクスを可視化することができた。本成果を起点にTOM複合体の新たな分子機構解明が期待される。