研究実績の概要 |
2020年度は、まず、コアとなるナノ粒子として、ナノダイヤモンド(ND)と磁性酸化鉄ナノ粒子(SPION)を用い、それらをポリグリセロール(PG)とポリエチレ ングリコール(PEG)により、3種類の密度(h, m, l)で被覆した ND-PG と ND-PEG, SPION-PG と SPION-PEG を合成した。次に、それらを血漿、もしくは血清中に加え、37°C で静置し、遠心分離の後、一部を水中に分散させ、粒子径とゼータ電位について、コロナ形成前後で比較した。残りは、表面に吸着したコロナタンパク質を SDS (ドデシルスルホン酸ナトリウム) 水 溶液中に溶かし出し、ポリアクリルアミド電気泳動(SDS-PAGE)、BCA(bicinchoninic acid)分析、液体クロマトグラフィー質量分析(LC/MS)により定性、定量を行なった。以上の実験により、ND-PG と SPION-PG が ND-PEG, SPION-PEG に比べ、タンパク質コロナの生成をより有効に阻害することが明らかとなった。また、PG の密度が高いほど、その阻害効果が高いことも明らかとなった。
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