研究課題
2021年度の交付申請書の本年度の研究実施計画では、「がん細胞そのもの、あるいはその中の小器官を標的とするリガンドをポリグリセロール(PG)上に結合させた場合のタンパク質コロナの形成や標的指向性について検討を行う。具体的には、がん細胞を標的とする RGD ペプチドや細胞小器官であるミトコンドリアを標的とするトリフェニルフォスフォニウム(Ph3P+)を、PGで被覆したナノ粒子表面に共有結合を介して担持し、まず、タンパク質コロナの形成の有無をポリアクリルアミド電 気 泳 動 (SDS-PAGE)で確認する。タンパク質コロナの形成が認められた場合、BCA (bicinchoninic acid)分析、液体クロ マトグラフィー質量分析(LC/MS)に より、吸着タンパク質を定性、定量する。次に、標的指向性について、例えば、構造欠陥に由来する、結晶内部からの蛍光を有するナノダイヤモ ンド(ND)を利用した蛍光顕微鏡観察、凍結切片による電子顕微鏡観察、さらには、セルソーターによる分析などを用いて評価する」と記載している。その中で、まず、ミトコンドリアを標的とするPh3P+を担持したND-PG-Ph3P+を合成し、タンパク質コロナについて評価したところ、その形成が認められた。次に、そのマクロファージ による捕食について検討したところ、タンパク質コロナの形成に比例して、マクロファージ による捕食が増大する傾向にあることが明らかとなった。
2: おおむね順調に進展している
2021年度の交付申請書の本年度の研究実施計画がほぼ達成されている。
2022年度は、ND-PG表面にがん細胞を標的とする RGD ペプチドを結合させたND-PG-RGDを用いて、2021年度にND-PG-Ph3P+を用いて行なった事柄について、検討を行う。
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