ナノダイヤモンド(ND)と磁性酸化鉄ナノ粒子(SPION)をポリグリセロール(PG)で被覆し、さらにカルボキシ基、アミノ基、スルホン酸、ホスホニウムなどの各種官能基で修飾したナノ粒子に対し、まず、タンパク質コロナの生成量について検討を行った。その結果、負電荷をもつカルボキシ基は、タンパク質コロナの生成はなく、一方、正電荷をもつアミノ基には、タンパク質コロナの生成が認められた。それに伴い、細胞への取り込みも促進された。したがって、ポリグリセロール修飾ナノ粒子の腫瘍選択的集積には、負電荷をもつ官能基などを用いることで、タンパク質コロナの生成を制御することが重要であることを明らかにした。
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