分子反応を本質的に制御している「閉じ込め効果」の生体内での直接測定はこれまで極めて困難であった。本研究では、その技術的限界を打破するため、細胞膜上の1蛍光分子の究極速度での1分子運動観察を目指した。超高感度・超高速カメラの開発と、蛍光色素の選定により、最速3万コマ/秒 (ビデオ速度、30コマ/秒の1,000倍) での撮影と、アクチン膜骨格の仕切りに抑制を受けた運動 (ホップ拡散) の1分子直接観察に成功した。超解像PALM/dSTORM観察と組み合わせた測定により、細胞の足としてはたらく接着斑の機能制御に、接着斑の群島構造と、アクチン膜骨格の仕切りによる足場が重要な役割を果たすことを示した。
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