本研究では,高温超伝導体Bi2212単結晶を用いたテラヘルツ波発振器の高出力化と狭線幅化に向けて,主に結晶材料とデバイス特性の関係について詳細に調べた。その結果,Bi2212単結晶のBiとSr比を調整すると,結晶中の過剰酸素を調整するための条件が大きく変化することが明確になった。また,結晶中の過剰酸素が多くなるように調整した結晶では,デバイス化の際に結晶表面に金属蒸着膜を作製した際に結晶表面の酸素量が変化することが明確になった。このような材料特性の変化は,デバイス特性にも直接反映されていることを確認した。このような点から,デバイス作製に必要な結晶材料の指針を本研究で得ることができた。
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