金属絶縁体転移材料であるVO2をチャネルとする3端子素子の微細化と高速化に関する研究を行った。長チャネルデバイスでは、ゲート電圧に対して連続的な転移が見られ、ドレイン電圧を大きくするとジュール熱効果で転移が急峻化する。一方で微細化すると、ドレイン電圧にかかわらず転移が急峻化(不連続化)し、VO2チャネルの転移がシングルドメイン化したことが分かった。さらに過渡特性では、ゲート電圧に対して指数関数的に高速化する様子が見られ、その変化量は極めて大きくVO2の集団性を考慮しなければ説明がつかないことが分かった。以上のようにVO2の3端子デバイスの静特性と過渡特性に対して、包括的な理解が得られた。
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