低炭素社会の実現は焦眉の急であり、また近年多発する自然災害時のライフラインの確保の観点からも、現在よりもさらに高容量、高エネルギー密度で、かつ安全性が高く低価格な二次電池開発は急務である。負極材料に金属Liを用いることができれば、その先の究極の二次電池とも称されるLi空気電池への展開も可能となる。他方、金属Liは水と反応すると激しく燃焼するなど保管、取り扱いに難を有する。本研究で開発された金属Li含有Cナノ複合材は、その保管、取り扱いにグローブボックス等の特段の環境を必要としないことから実用上重要である。学術的にも全固体電池の充放電その場TEM観察技術の確立に道を拓いている点で極めて意義深い。
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