触媒表面に存在するステップ等の非平坦構造は反応活性点として重要であるが、非平坦表面への分子吸着過程に関する研究は少なく、特に気相分子の配向がステップでの吸着および反応過程に与える影響はよく理解されていない。本研究では、回転角運動量と電子スピンの向きをよく定義できる単一量子状態選別O2分子ビームをシート状に微細化し、ステップ密度に面内分布のある曲面研磨結晶上を走査する方法により、配向に依存したO2吸着、触媒CO酸化反応特性のステップ密度依存性を明らかにした。また、六極磁子法により生成した核スピン偏極オルト水素分子ビームを用いた吸着、散乱、脱離実験を行える装置の開発を進めた。
|