研究課題
本研究の目的は,光の持つ位相・偏光の空間的特異性・非一様性に着目し,申請者らが現在までに独自に開発したモノサイクル域光パルス発生・制御技術,超短光パルスコヒーレント合成技術,光のスピン軌道相互作用変換・制御技術を用いることにより, THzの速さでビームパターンが変化する光格子(光渦ペア)を発生させること,さらに,物質系において,発生光渦ペアによる擬粒子励起を行い,その伝播過程を利用してコヒーレントな制御・増強を行うことである。既に申請者らは,THz回転周波数の超高速回転光格子(光渦ペア)発生に成功しているが,物質系における擬粒子励起などの応用を考えると,より自在なビームパターン変調を行うことが重要となる。当該年度は以下のことを行った。光損失が少なく安定でロバストなチャープパルス・コヒーレントビーム合成光学系として,空間位相変調器,遅延光学素子を導入したサニャック型干渉計光路を用い,絶対値が等しく符号の異なるトポロジカルチャージを有する光渦パルスの重ね合わせ手法の拡張を行った。これにより動径方向指数,方位方向指数の異なる光渦の重ね合わせなどによる,より複雑な高効率超高速ビームパターン変調に成功している。また,このような複雑な重ね合わせ光渦パルスに関し,ポインティングベクトルを解析的に求めて,パルス時間包絡線内平均をとることにより,合成光渦ビームの軌道角運動量がどのようになるか,その振る舞いを明らかにしている。
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
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すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件、 オープンアクセス 2件) 学会発表 (16件) (うち国際学会 8件、 招待講演 3件) 備考 (1件)
Sci. Rep.
巻: 12 ページ: 14991/1- 12
10.138/s41598-022-18145-4
Journal of Photochemistry and Photobiology C: Photochemistry Reviews
巻: 52 ページ: 100535/1-13
10.1016/j.jphotochemrev.2022.100535
https://www.eng.hokudai.ac.jp/labo/cacao/