研究課題
本研究では、フォトニック結晶の2次元共振作用をレーザー発振に利用した面発光型半導体レーザー(フォトニック結晶レーザー:PCSEL)において、屈折率勾配(バンド端周波数勾配)の導入という新たな短パルス・高ピーク出力化の手法を提案し、外部増幅器を用いない単一光源から、高ビーム品質を維持しつつ、パルス幅数10ps未満, ピーク出力100W~1kW級の短パルス・高ピーク出力発振を実現することを目指した。前年度までに、周波数勾配型PCSELにおいて、パルス幅10ps程度、ピーク出力200~300W程度のパルス発振を実証し、1年前倒しで、当初の研究目標を達成していた。最終年度の2023年度は、上記の周波数勾配型PCSELのピーク出力のさらなる増大の実現に向けた検討を行った。はじめに、これまでに得られた実験結果と、対応する数値解析結果の詳細な比較を行い、利得関数や屈折率変化関数等、解析に用いる種々の物理パラメータの更新を行った。次に、周波数勾配型フォトニック結晶レーザーの面内に導入する周波数勾配分布とフォトニック結晶の結合係数について、粒子群最適化による自動最適化を行ったところ、可飽和吸収領域を導入しなくとも、単一のデバイスにおいて、1kW級のピーク出力が得られるデバイス構造の設計に成功した。最後に、最適化を行ったデバイス構造の作製を行い、その過渡応答特性の評価を行ったところ、50 Aの注入電流において、パルス幅30ps未満、ピーク出力540W超の高ピーク出力・短パルス発振が得られ、前年度までに得られたピーク出力をさらに2倍程度向上させることに成功した。
令和5年度が最終年度であるため、記入しない。
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