ダイヤモンドNV中心量子センサは、その電子スピン三重項状態を利用することで、従来技術では達成が困難な超微弱な信号を検出できることから、幅広い分野への応用が期待されている。しかし、その超高感度がゆえに、現在の作製プロセスでは、結晶構造の歪みや損傷等による影響により、スピン状態の読み出しプロトコルの最適化が不可欠であった。本研究では、レーザー照射のみによる簡便な手法で室温動作が可能なダイヤモンドNV中心を高濃度に形成可能であること、スピンコヒーレンス時間の劣化がないことを実証した。本研究成果は、ダイヤモンドNV中心の量子センサプラットフォームとしての社会実装の基盤技術であると確信している。
|