本研究では、各時間ステップで活性化過程探索(SPS)を行い、state-to-stateダイナミクスに基づき時間を進展させる計算手法の一つであるSelf-Evolving atomistic kinetic Monte Carlo に対し、SPSを高速化させる2つのスキームを開発することで、原子レベルの精緻性を保持しつつ分子動力学で扱えるよりも長い時間スケールの現象を再現する手法を構築した。また、同法を高エネルギー粒子照射環境で形成する自己格子間原子集合体に適用し、複数回の原子拡散を伴って安定形態である積層欠陥転位ループや完全転位ループに変換する過程を世界で初めて確認することに成功した。
|