研究課題
基盤研究(B)
軽水炉炉心は強い放射線環境にあり、冷却水の放射線照射に伴う水の改質は構造材料の応力腐食割れや放射能移行に直結するため、その環境把握と制御はプラントの健全性確保に必要不可欠である。炉心環境の直接計測は困難であり、基礎科学的な知見に基づく評価と状態予測が必要である。既往の研究から純水の放射線分解反応に関する知見は充実しつつあるが、高温高圧且つ高濃度溶質存在といった過酷条件下の放射線化学的知見は極めて断片的である。本研究では量子ビームを用いてそのような環境下における反応機構解明を行った。
放射線化学
量子ビーム照射による物質の改質やその反応メカニズムを把握することは、原子力プラントを長期にわたって健全に保つための技術を根本から支えるものである。また得られた知見は、原子力分野に留まらず、量子ビームを活用する様々な産業(ナノリソグラフィー工学や放射線医学など)にも波及するものであり学術的にも高い価値を有する。