外力を導入した理論計算手法を開発し,メカノケミストリにおける特異な化学反応原理について研究した。機械的刺激によって化学反応の選択性が変化するという実験報告が急増しているが,理論的な理解は進んでいなかった。ボールミルを用いたキチンの加水分解において側鎖の加水分解より解重合が優先される実験結果,高インデックス界面への外力刺激に対するFischer-Tropsch反応活性がBEP則を逸脱しうることを示す計算結果,ボールミルを用いたシクロプロパン化反応において狭隘反応場が選択性を向上する計算結果を示し,力学的刺激下の反応機構を明らかにした。開発したプログラムはGitHubにて公開している。
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