研究成果の概要 |
本研究では,生体系の磁場感受能力におけるラジカル対の役割を探求し, 磁場が細胞生化学に影響を及ぼすメカニズムを批判的に評価することを目的とした.成果の1つ目は, 未処理の生細胞の自家蛍光に対する磁場効果の初の直接観測である.2つ目は,自動多波長測定を実現する時間分解光吸収磁場効果顕微鏡の開発である.これは, 異なる波長の光の吸収特性に基づいた過渡的なラジカル対の同定を可能にする.3つ目は,短寿命のラジカル対を数十ナノ秒の時間分解能で直接検出できるパルスレーザーと磁場を用いた新しい蛍光イメージング技術の原理実証である.これは,生物学におけるラジカル対の研究に革新をもたらす可能性のある技術である.
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