研究課題
基盤研究(B)
本研究では、外部刺激に対して機能性が劇的に変化しうるイオン性分子集積体の開拓を推進した。具体的な成果を以下に示す。(1) 液状化可能なイオン性開殻種が固液相転移を有することを利用し、磁気的性質と近赤外吸収特性の同時変調機能を達成した。(2) 刺激に応答して瞬間で発光強度が増す金属錯体塩、結晶化条件より発光波長が著しく変化する液状化可能な金属錯体塩、対イオンによって発光挙動が大きく異なる金属錯体の調製に成功した。
機能分子化学
機能性カチオン種の集積体内および対イオンとの相互作用を適度にコントロールすることで、イオン性化学種が常識的でない柔軟性と運動性を獲得し、その結果により外部環境に対して極めて鋭敏に物性が変化させることに成功した。本研究で明らかになった手法により従来達成できない任意のイオン性分子集積体が構築できる。またそれらに付随してこれまでに報告例のない現象や機能への展開が期待される。