タンパク質の物理化学研究の難しさは、タンパク質の構造と機能の多様性にあり、普遍的な原理を見つけにくい点にある。そこで、本研究ではタンパク質の共通構造に着目した。ロドプシンタンパク質は共通の立体構造を基盤として、タンパク質ごとに、プロトン、ナトリウムイオン、塩化物イオンなど多様なイオンを選択的に輸送する。また、酸素運搬タンパク質の多くはグロビンフォールドと呼ばれる共通のサブユニット構造を持ちつつ、多様な会合様式によって協同性を示す。そこで、共通構造を持ちつつ異なる機能あるいは異なる機能性会合を示すタンパク質群の作動機構を比較して明らかにした。
|