研究課題/領域番号 |
20H02712
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
中田 聡 広島大学, 統合生命科学研究科(理), 教授 (50217741)
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研究分担者 |
長山 雅晴 北海道大学, 電子科学研究所, 教授 (20314289)
北畑 裕之 千葉大学, 大学院理学研究院, 教授 (20378532)
伴野 太祐 慶應義塾大学, 理工学部(矢上), 准教授 (70613909)
末松 信彦 明治大学, 総合数理学部, 専任教授 (80542274)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 非線形 / 自己駆動 / 非平衡 / リズム / パターン / 自己組織化 / 分岐 / 振動 |
研究実績の概要 |
化学反応が運動様相に反映される自己駆動体の構築:酢酸チモール(TA)を含む油滴を駆動体として使用し、pHの異なるドデシル硫酸ナトリウム(SDS)水溶液に浮かべる実験をした。ここで酢酸チモールの加水分解によりチモール(TOH)が得られる。そしてTOHはpHに依存してチモールイオン(TO-)と可逆な関係にある。その結果、界面張力測定からTOHが主たる駆動力であること、pH 7.0-8.2と11.1以上でランダムな方向の振動運動(Osc I)、pH 8.9-10.8で往復の振動運動(Osc II)が観察された。これら運動様相の分岐は、TOHの生成速度とTOHとTO-間の解離平衡で決まること、Osc IIにはSDSとTOHとの複合体形成による濃度反転が鍵となることが解明された。 両親媒性分子と駆動体分子間の相互作用で運動様相が決定する系の構築:水面に展開された4-Stearoyl amidobenzoic acid(SABA)分子膜の上に、駆動体である安息香酸円板(BA)を浮かべて実験した。その結果、SABAの表面密度に依存して、ランダム運動、領域が制限された運動、往復運動、停止の運動様相の分岐が観察された。その中で制限運動と往復運動の発現には、SABAとBAの分子間相互作用が鍵となることが、分光学測定により解明された。 イオン液体水溶液上の樟脳自己駆動体の運動様相:運動を制御する分子として界面活性剤の代わりにイオン液体を使用し、駆動体である樟脳円板をイオン液体水相に浮かべた。その結果、イオン液体の濃度に依存して、連続運動、振動運動、停止の運動様相が観察された。これら運動様相は、イオン液体と樟脳分子の相互作用が鍵となることがFTIRと表面張力測定、及びDFT計算により解明された。樟脳によりイオン液体分子膜の崩壊による表面張力の上昇が界面活性剤との違いであった。
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現在までの達成度 (段落) |
令和5年度が最終年度であるため、記入しない。
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今後の研究の推進方策 |
令和5年度が最終年度であるため、記入しない。
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