研究課題
理論計算グループは，機械学習を活用して目的とするホール移動度を示す新規な有機分子を設計できるシステムを構築した．予めアモルファス相における 321 個の有機分子のホール移動度の実験値を収集しホール移動度のデータセットを構築し，ランダムフォレスト (RF) により機械学習をさせ正孔移動度を敏速に予測することができる．計算時間を短縮するために69個の構造記述子のみを用いてRFを最適化し，トレーニングとテストのデータセットに対する相関係数 0.89 と 0.76を達成した．記述子の重要度評価から，硫黄原子数が0～1およびトポロジカル極性表面積が8A^2の時に高いホール移動度を示すことが明らかになった．すなわち，triphenyl amineまたはcarbazolyl基を1～2個有する分子が高いホール移動度を示す．有機合成グループは，ジチエノベンゾチアゾール誘導体の物性評価を行った．特に，エチル基を有する誘導体の結晶構造は，複数方向に高い電荷移動積分を有し，電界効果トランジスタを作製したところ，約0.16cm2/Vsという中程度の正孔移動度を得た．さらに，溶液塗布型有機発光ダイオード（OLED）に資する発光層ホストポリマーの開発を目的として，カルバゾール系p型および両極性低分子有機半導体を側鎖に有するアクリレートポリマーの重合反応について，ポリマー主鎖の伸長方法について検討した．デバイス作製・評価グループは，短時間（３秒以下）でOLEDのインピーダンス・スペクトルを取得できる分光系の信号対雑音SN比をさらに向上させるため，time-stretched pulseの周波数スペクトルを最適化した．機械学習を用いて，多数のインピーダンス・スペクトルから瞬時に電子物性を評価する手法を開発し，OLEDの電子物性評価に用い，その有用性を示した．
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
すべて 2023 2022
すべて 雑誌論文 (10件) (うち査読あり 8件) 学会発表 (127件) (うち国際学会 36件、 招待講演 17件) 図書 (2件)
Dyes and Pigments
巻: 216 ページ: 111291～111291
10.1016/j.dyepig.2023.111291
日本画像学会誌
巻: 62 ページ: 3～11
10.11370/isj.62.3
Physical Chemistry Chemical Physics
巻: 24 ページ: 26070～26082
10.1039/D2CP03678A
Journal of Computational Chemistry
巻: 44 ページ: 662～669
10.1002/jcc.27030
ACS Omega
巻: 7 ページ: 40364～40373
10.1021/acsomega.2c05341
Tetrahedron Letters
巻: 101 ページ: 153913～153913
10.1016/j.tetlet.2022.153913
ChemPhotoChem
巻: 6 ページ: 1-5
10.1002/cptc.202100253
Proceedings of the International Display Workshops
巻: 29 ページ: 486-488
巻: 29 ページ: 108-110
Proc. SPIE 12208, Organic and Hybrid Light Emitting Materials and Devices XXVI, 1220806
巻: 12208 ページ: 1220806-1220806
10.1117/12.2637341
