研究課題
基盤研究(B)
ホウ素触媒と可視光エネルギーを利用することで、カルボン酸を直接基質とした新規α位修飾反応を開発した。反応系中で生じるホウ素エノラートの可視光励起を起点として反応剤との一電子移動が進行し、ラジカル中間体を経由してカルボン酸α位における結合形成反応が進行する。これによって炭素鎖導入反応であるα位アリル化反応とヘテロ原子導入反応であるα位アミノ化反応を開発し、本手法の汎用性を示した。
有機合成化学
カルボン酸は医薬品等の機能性分子に頻出するため、その直接的変換法の開発は、新規機能性分子の創出に寄与することが出来る。本研究ではクリーンな再生可能エネルギーである光を活用できる触媒系とすることによって高活性のラジカル種を生成して新たな反応形式を確立した。カルボン酸はバイオマスから入手できる再生可能原料としても有望であり、カーボンニュートラルが求められる現代社会の要請にも応えるものである。