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2022 年度 実績報告書

触媒的骨格転位を基盤とする新合成手法の開拓

研究課題

研究課題/領域番号 20H02731
研究機関東北大学

研究代表者

中村 達  東北大学, 理学研究科, 准教授 (00333899)

研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2023-03-31
キーワード金触媒 / 挿入反応 / 多置換アルケン
研究実績の概要

我々は触媒的骨格転位の概念をアルキンの分子間二官能基化反応へ展開した。すなわち多置換アルケンは有機分子に広く存在する構造であり、特に機能性分子には欠かせない構造である。特に近年では、テトラアリールエテン構造もしくはトリアリールエテン構造を有する分子が会合誘起発光を示すため盛んに研究されている。多置換アルケンの中でも、アルケン上にアミノ基とスルフェニル基のそれぞれを有するβ―スルフェニルエナミンは物性発現が期待できるが、これまで構築手法が限られていた。そこで我々は、β―スルフェニルエナミンの構築手法としてアルキン挿入反応に着目した。この手法は、挿入される原子群がそのままアルケン上に導入されるため、副生成物が生じず一挙に二つの官能基を導入する直接的かつ原子効率の高い構築手法といえる。これらの背景のもと、本研究ではN-S結合へのアルキン挿入反応の開発に取り組み、πルイス酸性金属触媒を用いたアルキン挿入反応を用いることで、これまで構築手法が限られていたβ―スルフェニルエナミンの新たな構築法を確立した。本反応は、窒素上にアリール基を有するスルフェンアミドにも適用可能であった。また、対アニオンのトシラートがビニル金中間体の窒素上のスルフェニル基を求核的に捕捉する共触媒として働き、求電子的な化学種であるスルフェニルトシラートが生成することが示唆された。これにより、本反応の重要な反応過程であるスルフェニル基の移動を円滑に進行させていることが考えられる。

現在までの達成度 (段落)

令和4年度が最終年度であるため、記入しない。

今後の研究の推進方策

令和4年度が最終年度であるため、記入しない。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2022 その他

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (2件) (うち招待講演 2件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] Gold-Catalyzed Intermolecular Alkyne Insertion into the N?S Bond in Sulfenamides2022

    • 著者名/発表者名
      Asoh Takato、Tashiro Hiroki、Terada Masahiro、Nakamura Itaru
    • 雑誌名

      Organic Letters

      巻: 24 ページ: 9264~9268

    • DOI

      10.1021/acs.orglett.2c03831

    • 査読あり
  • [学会発表] 第11族金属錯体触媒による転位反応の新展開2022

    • 著者名/発表者名
      中村達
    • 学会等名
      第130回触媒討論会 有機金属・分子触媒セッション
    • 招待講演
  • [学会発表] 触媒的骨格転位を基盤とする新合成手法の開発2022

    • 著者名/発表者名
      中村達
    • 学会等名
      有機合成化学協会 企業冠賞受賞講演会
    • 招待講演
  • [備考] 東北大学大学院理学研究科化学専攻反応有機化学研究室

    • URL

      http://www.orgreact.sakura.ne.jp/index.html

URL: 

公開日: 2023-12-25  

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