研究課題
基盤研究(B)
本研究では、水の供与体を用いた形式的な不飽和有機物質の水和反応「水移動型水和反応」に対する理解を深め、これを活用した有機合成手法の開発を目的とした。その結果、パラジウム触媒を用いたアミノニトリルの水移動型水和反応、白金錯体を用いたニトリルの水移動型水和反応、ルテニウム触媒を用いたアミドの水移動型脱水反応、イリジウム触媒を用いた第一級アミドの水移動型脱水反応、の四触媒反応を見出し、それぞれの合成化学的な価値と機構の一部を明らかにした。
有機合成化学
本研究で実施した水移動型触媒反応の開発と反応機構の解明は、合成化学の水準を高め、分子触媒の設計に新たな指針を与えるものである。また、優れた合成プロセスの創出は、医薬品や農薬をはじめとする新素材の開発や製造にかかわる効率化をもたらすことが期待できる。