研究課題
基盤研究(B)
金属微粒子(ナノ粒子やクラスター)と金属酸化物からなるナノ複合材料は、エネルギー変換や物質変換のための触媒として利用される重要な無機材料であるが、構造、電子状態、界面構造が精密設計された材料の開発は困難であった。本研究では、分子状金属酸化物を用いて銀クラスターを合成することで、明確な分子構造、原子配列、電子状態、界面構造を持つ複合材料の開発に成功した。また、このように開発した複合材料が、金属クラスターと金属酸化物が協奏的に働くことによる特異な物性、反応性、触媒機能を持つことを明らかにした。
触媒化学、無機化学
本研究では、明確な構造や電子状態を持つ金属ナノクラスターと分子状金属酸化物からなる無機複合分子の開発が初めて可能になり、その構造と機能の相関を解明することができた。今後、本合成法を応用することで、様々な元素、構造、配列からなる金属微粒子と金属酸化物の複合材料の開発が可能になり、既存の材料では実現されていない物性や触媒機能を創出できると期待される。