研究課題
本年は以下の研究を遂行した。(a)新たな発光安定ラジカルの合成と物性解明:ポリクロロトリアリールメチルラジカルに対し様々な官能基を導入した新たなラジカルを合成し、官能基が分子の基底状態、励起状態、および光物理過程に与える影響を調べた。中でも電子ドナー性を有するトリフェニルアミン骨格を共役連結したドナーアクセプター型発光ラジカルは、溶液状態において電荷移動励起状態からの良好な蛍光を示すのみならず、ELデバイス中において近赤外発光することを明らかにした。(b)ピリジル基を3つ有する三角形型発光ラジカルとニッケル錯体ユニットを有機溶媒中で混合することで、一次元鎖および二次元格子構造を有する新たな配位高分子結晶を合成した。物質合成時に用いる溶媒に依存して10種類以上にも及ぶ多様な化学組成/構造を有する配位高分子が得られることを明らかにした。二次元幾何学格子構造を有する系では、最近接のラジカルとニッケル間に強磁性的な相互作用が働くこと、また極低温において長距離磁気秩序化することを見出した。
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
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すべて 国際共同研究 (3件) 雑誌論文 (7件) (うち国際共著 2件、 査読あり 7件、 オープンアクセス 2件) 学会発表 (10件) (うち国際学会 5件、 招待講演 10件)
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