研究課題/領域番号 |
20H02763
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研究機関 | 名古屋工業大学 |
研究代表者 |
北川 慎也 名古屋工業大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (50335080)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 質量分析 / 液体クロマトグラフィー / ラベルフリー / ディファレンシャル解析 / 周波数分割多重化 / 並列分析 |
研究実績の概要 |
オミクス解析では、サンプル群間の含有化合物量の差異を明らかにするため、液体クロマトグラフィー―タンデム型質量分析法(LC-MS/MS)を用いたディファレンシャル解析(定量比較解析)が行われる。安定同位体ラベル法は、複数のサンプルの同時分析が可能であるが、煩雑なラベル化反応が必要となる。そのため「ラベルフリーディファレンシャル解析」の重要性が増している。しかし、ラベルフリーディファレンシャル解析では、サンプルごとに測定を行う必要があり、迅速・高効率な解析が困難である。この問題を解決するため、申請者がすでに開発済みの2台のLCと1台のMSを接続し並列分析を行う「周波数分割多重化LC-MS」を発展させ、二群間の差異をそれぞれn = 3で測定し統計比較を行うための「6サンプル並列同時分析のための周波数分割多重化LC-MS/MS」の開発を行っている。要素技術として、(1)6並列分離が可能なLCシステムの開発、(2)6並列変調システムの開発、(3)MS/MSデータに対応した信号処理ソフトウエア開発を進めている。2020年度の成果として、(1) グラジエント溶離に特化した並列LCのための試料導入システムの検討、(2)実際に6並列試料導入が可能であるインターフェイス、及び、6並列変調システムの開発、(3)信号処理システムとしてフーリエ変換・信号抽出・逆フーリエ変換を行うソフトウエア開発を行った。LCではなく連続導入モードで6並列試料導入を行い、MSで得られた混合データに対してフーリエ変換を行うことで、周波数空間中で6系統の信号分離を行うことに成功した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
要素技術として「6並列分離が可能なLCシステムの開発」「6並列変調システムの開発」「MS/MSデータに対応した信号処理ソフトウエア開発」「MS/MSデータに対応した信号処理ソフトウエア開発」について開発検討を進めており、次年度の見直しが必要な部分も生じているが、おおよそ予定通り進んでいるため。
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今後の研究の推進方策 |
本年度に引き続き、要素技術として、(1)6並列分離が可能なLCシステムの開発、(2)6並列変調システムの開発、(3)MS/MSデータに対応した信号処理方法の開発行う。「6並列変調システム」については、特に再現性向上に関する検討を行う。
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