M13ファージを用いたファージディスプレイ法は、望みの物質に選択結合するペプチドを得る有力な方法であるが、ファージ外殻は提示ペプチドより遥かに巨大なため、標的物質と非特異的に吸着したり、提示ペプチドと標的物質との相互作用を阻害したりすることで、吸着選択の効率を下げることが懸念されてきた。一方で繊維状ファージは、磁場により配向できることが知られている。本研究では、ファージを標的物質表面に対し垂直に磁場配向させることで、ファージ外殻による標的物質への非特異吸着を抑制したり、ライブラリから選択されるクローン群の組成を変化させたりすることを明らかとした。
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