本課題ではフタロシアニンの集積化による効果的に光音響信号を発する高性能光音響造影剤の創製を目指した。特に、腫瘍特異的に構造変化し、光音響信号を発するような工夫を施すことで高コントラストに腫瘍を可視化できる造影剤開発を目指した。研究期間内を通して、腫瘍近傍で過剰発現しているプロテアーゼに応答し光音響信号強度を増大させる造影剤、腫瘍部位に蓄積した造影剤に外部から低侵襲な光照射を行うことで信号強度を増大させる造影剤の開発に成功した。患者への負担が少なく、また高コントラストに腫瘍部位を可視化できる手段を提唱することに成功した。化合物の毒性を精査することで人体への応用に展開できる成果である。
|