研究成果の学術的意義や社会的意義 |
トンネル構造化合物におけるゲスト原子の異方的なラットリングと,ラットリング原子の近接によって熱伝導率が低減するメカニズムが発見・解明されたことは,学術的に大きな意義があり,従来のカゴ状構造化合物における孤立したラットリング原子では生じない現象である.今後,熱エネルギーの有効利用に必要な熱電材料の開発の新たな指針になることが期待される.また,2次元構造化合物のNaAl(Si, Ge)では,高品位な単結晶を用いて種々の低温物性を計測することで,それぞれが特異な基底状態や電子状態を有することが明らかになった.これらは,現在注目されているノーダルライン半金属の電子物性の解明に大きく寄与する成果である.
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