本研究では、有機シロキサン材料の分子レベルからナノレベルでの精密構造制御により、従来のシロキサン系自己修復材料の課題を克服し、クラック等の損傷の高い修復能力と、高い熱的・化学的安定性、優れた機械的特性を兼ねそろえたシロキサン系自己修復機能材料を創出した。クラックの自己修復能を有するラメラ構造の有機シロキサンに関する成果は、保護コーティングなどとしての実用化に向けて重要な知見を与えるものである。また、カゴ型シロキサンやゲルモキサンを用いた修復機構は新規性が高く、今後の幅広い展開が期待できる。これらの研究成果は学術のみならず社会的にも大きな意義がある。
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