本研究では炭素材料の電気化学的酸化挙動をD-TPD分析により追跡した。電気化学的酸化によってフェノール性水酸基(Ph2)、エーテル、カルボニルが優先的に炭素表面に生成していることが分かった。一般的に、電気化学的酸化はエッジ面から進行すると考えられている。しかしながら、本研究の結果において、エッジ面の少ない炭素試料が電気化学的酸化に対して高い反応性を示した。この電気化学的酸化挙動を2つの仮説を立て、その理解を試みた。これらの仮説の妥当性を今後検証していくことで、電気化学的酸化メカニズムの解明につながると考えられる。
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