今後の研究の推進方策 |
最高活性を記録したNi(0)-ZrO2について、Ni粒径およびZrO2粒径や酸素欠陥濃度を段階的に制御する。Core径を3~7 nm, shell厚さを1層~3 nmと変えながら、均一粒径金属ナノ粒子を合成する。H2処理により金属化する。ホルムアミド中超音波および激しい攪拌により超薄層化し、単原子Ni, Cu, Co, Agや金属/合金ナノ結晶と複合させる。EXAFS・HR-TEM・HAADF-STEM・AFMを用いて、ナノ結晶径や合金構造・格子縞・原子番号の2乗に比例する輝度での合金組成・超薄層深さを観測し、core-shell構造, 超薄層半導体, 単層グラフェンとの複合を立証する。
上記光触媒について、13CO2 + H2および13CO2 + moisture下で紫外可視光照射し13CO2還元試験を行い、還元の効果、合金の創り分け・超薄層化による表面欠陥サイトのCO2還元への寄与を定量化する。CH3OH, C2H4, C2H5OH, CH4生成がどれだけ増えるかみる。多電子供給には欠陥サイト数だけでなく、一定以上の超薄層[結晶子]サイズが必要かどうか評価する。分離した電荷が金属/合金ナノ粒子-超薄層半導体中を伝播しやすいか、インピーダンス測定により検証する。H2(18)Oも利用して、酸化側反応機構も詳しく見る。
Nd:YAGレーザー-SHG, レーザーダイオード-SHGに光チョッパーを入れた光源による13CO2光燃料化試験を実施し、Xe連続光励起と比較する。各触媒について分子種変換に金属および超薄膜の結晶面・両者の界面・欠陥サイトの因子を加え、第一原理計算から各中間種のエネルギー・活性化エネルギーΔE(act)最小の素過程を特定し、実験と対照する。酸素欠陥サイトへのCO2の吸着、プロトン付加、COおよびホルムアルデヒド生成、さらにCHx種を経てエチレン等に至る経路を探る。
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