資源制約を受けない蓄電池デバイスとして,マグネシウム二次電池が近年注目を集めている.その重量または体積当たり理論容量が大きいことから,負極材料に関する研究はMg金属にほとんど限定される.研究代表者は従来のリチウム二次電池(LIB)に使用されている黒鉛に着目し,その二次電池負極材料としての可能性を検証した.その結果,LIBのようにLiイオンが単体で層間に挿入されるのとは異なり,溶媒をともなう形での挿入が認められた.挿入反応に対する脱離の可逆性については未だ電位ヒステリシスに関する課題があるものの,約200 mA h g-1の可逆容量を得ることに成功し,負極材料としての可能性を見い出した.
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