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2020 年度 実績報告書

細胞代謝のケミカルバイオロジー研究の開拓

研究課題

研究課題/領域番号 20H02861
研究機関九州大学

研究代表者

王子田 彰夫  九州大学, 薬学研究院, 教授 (10343328)

研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2023-03-31
キーワード細胞代謝 / ベータ酸化 / 蛍光イメージング / ケミカルプロテオミクス / コバレントドラッグ
研究実績の概要

細胞内のベータ酸化を検出するプローブの開発については、プローブ構造を最適化することで細胞内において効率よく安定に機能するキノンメチド型プローブを得ることに成功した。さらに、本プローブを用いて細胞や肝細胞のベータ酸化の活性化状態の変動を検出できることを明らかとした。プロテオミクス解析を行うことで、生成したキノンメチドの細胞内でのタンパク質との反応性プロファイルについて明らかとした。細胞内ペルオキシソームのベータ酸化を検出する蛍光プローブの開発を開始した。ミトコンドリアにおけるベータ酸化との選択性を発現させるため脂肪酸を長鎖化した新たなキノンメチド型プローブを合成、イメージングによる評価を行い検討を継続中である。
フッ素イオンによるシリル基のバイオオルソゴナルな切断反応を利用した蛍光プローブ開発の開発に新たに着手した。まずは、フッ素イオンに対する高い感受性と水中安定性を発揮できるプローブ分子構造の最適化を行い、分子デザインについてのおおまかな指針を得ることに成功した。
細胞内のベータ酸化を阻害するコバレントリガンドの探索研究を本格化させ、ヒット化合物としてのCFA誘導体の機能、標的タンパク質の同定にむけて解析研究を開始した。ABPP解析より、分子量50KDa付近のタンパク質がコバレントリガンド標的となっている知見を掴んだ。一方でケミカルプロテオミクスによる標的タンパク質の同定を目指して、細胞反応条件やサンプル処理法の検討を進め、それぞれ最適化を行った。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

新型コロナ感染の影響によりプロテオミクスなどの共同研究が滞ったが、繰越により研究期間を延長することで最終的には初年度の目標を概ね達成できた。

今後の研究の推進方策

研究期間の延長により次年度以降の研究との連動が難しい部分があったが、問題なく研究を推進し、最終年度までに目的に叶う十分な成果を得たと時自負している。今後は、本申請の研究を継続して推進し、新たな生物学的知見を得ることや創薬応用に向けて研究を発展させる予定である。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2021 2020 その他

すべて 雑誌論文 (1件) (うち国際共著 1件、 査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (3件) (うち招待講演 1件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] A multicolor and ratiometric fluorescent sensing platform for metal ions based on arene-metal-ion contact2021

    • 著者名/発表者名
      Anna Kanegae, Yusuke Takata, Ippei Takashima, Shohei Uchinomiya, Ryosuke Kawagoe, Kazuteru Usui, Akira Yamashita, Jirarut Wongkongkatep, Manabu Sugimoto, Akio Ojida
    • 雑誌名

      Communications Chemistry

      巻: 4 ページ: 104

    • DOI

      10.1038/s42004-021-00541-y

    • 査読あり / オープンアクセス / 国際共著
  • [学会発表] 生体組織での脂肪酸β酸化検出を目指したキノンメチド放出型プローブの構造検討2020

    • 著者名/発表者名
      永浦智樹, 井上和哉, Weber Mark, 内之宮祥平, 王子田彰夫
    • 学会等名
      第14回バイオ関連化学シンポジウム
  • [学会発表] アルギナーゼ検出蛍光プローブの開発と阻害剤探索への展開2020

    • 著者名/発表者名
      鴨田光一郎, 内之宮祥平,王子田彰夫
    • 学会等名
      第14回バイオ関連化学シンポジウム
    • 招待講演
  • [学会発表] 蛍光プローブを用いたβ酸化の生細胞イメージング2020

    • 著者名/発表者名
      井上和哉, 坂本茉莉, 内之宮祥平, 王子田彰夫
    • 学会等名
      第14回バイオ関連化学シンポジウム
  • [備考] 九州大学薬学研究院創薬ケミカルバイオロジー分野ホームページ

    • URL

      https://bunseki.phar.kyushu-u.ac.jp

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公開日: 2023-12-25  

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