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2022 年度 実績報告書

蛍光制御技術が解き明かす代謝関連タンパク質の動態応答メカニズム

研究課題

研究課題/領域番号 20H02879
研究機関九州大学

研究代表者

堀 雄一郎  九州大学, 理学研究院, 教授 (00444563)

研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2023-03-31
キーワードGLUT4 / 糖鎖 / 動的性質
研究実績の概要

我々は、これまでの研究で、GLUT4の膜外ループに結合しているN型糖鎖が、インスリン刺激時にGLUT4を細胞膜に引き留める役割を果たしていることを明らかにしてきた。一方、この糖鎖の細胞内における役割については未だ不明な点が残されている。本研究では、細胞内と細胞表層に存在するGLUT4をそれぞれ識別してラベル化できるPYPタグプローブを開発し、糖鎖の細胞内での役割の解明に取り組んだ。PYPタグのリガンドは、桂皮酸・クマリン誘導体が知られているが、非天然構造を持つPCAFリガンドをこれまでに見出している。このリガンドに各種蛍光色素ATTO488, TAMRA, SiR650, およびSiR700を連結したプローブPCAFgreen, PCAForange, PCAFred, およびPCAFfarredをそれぞれ開発したところ、PCAFgreenは、細胞膜非透過性で、細胞表層タンパク質と選択的に反応し、それ以外のプローブは興味深いことに細胞表層膜タンパク質と反応することなく、細胞内タンパク質と選択的に結合することが分かった。これらの性質を利用して、PYPタグを介して細胞表層と細胞内部のGLUT4をそれぞれ別の色の蛍光色素で識別してラベル化することに成功した。この技術を利用して、GLUT4の動態を調べたところ、細胞表層に出ることのできるGLUT4と細胞内部に留まり続けているGLUT4が細胞に併存し、さらに、糖鎖を欠損させると、細胞内部に留まっているGLUT4は、リソソームに運ばれるていることを可視化することができた。このように、異なる動的性質を持つタンパク質を動的性質に応じて識別することのできる技術の開発に成功するとともに、GLUT4の糖鎖が細胞内で果たす役割の知見を得ることができた。

現在までの達成度 (段落)

令和4年度が最終年度であるため、記入しない。

今後の研究の推進方策

令和4年度が最終年度であるため、記入しない。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2024 2023 その他

すべて 国際共同研究 (1件) 雑誌論文 (2件) (うち国際共著 1件、 査読あり 2件、 オープンアクセス 2件) 学会発表 (2件) (うち招待講演 2件)

  • [国際共同研究] The University of Edinburgh(英国)

    • 国名
      英国
    • 外国機関名
      The University of Edinburgh
  • [雑誌論文] No-wash fluorogenic labeling of proteins for reversible photoswitching in live cells2024

    • 著者名/発表者名
      Torii Kenji、Benson Sam、Hori Yuichiro、Vendrell Marc、Kikuchi Kazuya
    • 雑誌名

      Chemical Science

      巻: 15 ページ: 1393~1401

    • DOI

      10.1039/d3sc04953a

    • 査読あり / オープンアクセス / 国際共著
  • [雑誌論文] Visualization of multiple localizations of GLUT4 by fluorescent probes of PYP-tag with designed unnatural warhead2023

    • 著者名/発表者名
      Nishiura Miyako、Hori Yuichiro、Umeno Maho、Kikuchi Kazuya
    • 雑誌名

      Chemical Science

      巻: 14 ページ: 5925~5935

    • DOI

      10.1039/d3sc00724c

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] ラベル化ケミストリーによる 膜タンパク質の多重局在の可視化2023

    • 著者名/発表者名
      堀 雄一郎
    • 学会等名
      蛋白質科学会第23回年会
    • 招待講演
  • [学会発表] タンパク質の多重局在を可視化する タンパク質ラベル化技術2023

    • 著者名/発表者名
      堀 雄一郎
    • 学会等名
      日本薬学会第143年会
    • 招待講演

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公開日: 2024-12-25  

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