宿主によるcheating根粒菌(感染能力を持つが窒素固定を行わない根粒菌)への制裁機構は、共生関係を維持する上で重要な機構であるが、その実態は不明な点が多い。本研究では、ミヤコグサを用いて単離した制裁機構の変異体とそれを用いて圃場から単離した窒素固定レベルの異なるcheating根粒菌株を用いて宿主制裁機構の解明を行った。その結果、cheating根粒菌に対する制裁が、窒素固定能に応じた根粒菌の溶菌レベルの制御により成立していることを明らかにした。同時に、この制裁機構に関わる遺伝子が被子植物で広く保存されており、正常な根粒菌の共生により発現レベルが低下することを明らかにした。
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