研究課題
本年度は研究実施計画に従い、以下の①、②の2項目について研究を進めた。①窒素飢餓応答制御に関わる新奇因子の探索:申請者ら独自の窒素飢餓マーカーを指標に(a)変異体スクリーニング、(b)ケミカルスクリーニング、(c)Yeast one-hybridスクリーニングにより新奇因子の探索を行った。(a)窒素飢餓レポーターライン(pNRT2.4:GUSレポーターライン)にEMSで変異を導入したM2集団(10,000系統のM1由来)を確立し、窒素充足条件下にも関わらず窒素飢餓レポーターを発現する変異体のスクリーニング条件の確立と1次スクリーニングを行った。複数ラインの変異体候補を得た。(b) ケミカルスクリーニングを行うための栽培条件を確立し、理研-ITbMの標準ライブラリーについて、窒素充足条件下にも関わらず窒素飢餓レポーター(pNRT2.4:GFP)を発現させる化合物のスクリーニングを行った。ヒット化合物候補が複数得られた。(c) Yeast one-hybridスクリーニングのライブラリーとレポーター株の作製を行った。②新奇・既知因子の役割と因子間の遺伝的関係の明確化によるシステム理解:窒素飢餓応答に関わるとされる既知因子の変異体及び過剰発現体の確立を進めた。NIGT1s、LBD37-39、CBL7、 BTB1/2については、変異体を確立した。NIGT1sとLBD37-39については過剰発現体を確立した。CEPDsとNLAについては、Col-0 背景の変異体と過剰発現体作製を開始した。
3: やや遅れている
所属機関の新型コロナウイルス感染症(COVID-19)における活動指針により、研究室での活動が制限されたため
引き続き①、②の2項目について研究を推進する。具体的には以下の方針である。①(a)スクリーニングを継続する。有望な変異体が得られ次第、原因遺伝子の同定を進める。①((b) スクリーニングを継続し、ヒット化合物が得られたら、その作用分子メカニズムの解析を行う。①(c) Yeast one-hybridスクリーニングを行い、NRT2.4プロモーターに結合する因子を同定する。②窒素飢餓応答に関わるとされる既知因子の変異体及び過剰発現体を確立しつつ、それらの窒素飢餓応答における役割と因子間の遺伝的関係についての解析を開始する。
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すべて 国際共同研究 (1件) 雑誌論文 (5件) (うち国際共著 3件、 査読あり 5件、 オープンアクセス 3件) 学会発表 (2件) 備考 (1件)
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