研究課題/領域番号 |
20H02889
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研究機関 | 島根大学 |
研究代表者 |
松本 真悟 島根大学, 学術研究院農生命科学系, 教授 (00346371)
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研究分担者 |
小野 圭介 国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構, 農業環境研究部門, 上級研究員 (20549555)
須田 碧海 国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構, 農業環境研究部門, 主任研究員 (20789573)
小葉田 亨 島根大学, その他部局等, 名誉教授 (60186723)
小林 和広 島根大学, 学術研究院農生命科学系, 准教授 (90234814)
赤羽 幾子 国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構, 農業環境研究部門, 上級研究員 (90530569)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | ヒ素 / TGC / 高温 / 温暖化 / コシヒカリ |
研究実績の概要 |
【目的】本課題で出穂後の気温が高いほど玄米ヒ素濃度が高くなることを認め、高温ほど玄米への炭水化物の転流量が減少してヒ素の“希釈効果”が低減されるためと推察した(Dhar et al, 2023)。この“希釈効果”には玄米へのヒ素と炭水化物の移行時期と量が関係すると考えられる。そこで、実験①で玄米へのヒ素移行時期を推定し、実験②で玄米への炭水化物の供給量と高温の関係を検討した。 【方法】実験①2023年4月19日に砂丘未熟土を充填した100ml容プラスチックチューブに‘コシヒカリ’を播種した。主茎一本仕立てに調整し、木村氏B液を満たしたコンテナ内で栽培した。出穂1から5週間後までの1週間ごとに砂耕から抜き取ったイネ体5株をそれぞれ亜ヒ酸(40ppb)を添加した木村氏B液を満たしたポリ瓶に浸漬し、コイトトロン内で5日間ヒ素吸収処理を行い、処理後は砂耕に戻して栽培した。実験②2023年5月17日に灰色低地土を充填した1/5000aワグネルポットに‘コシヒカリ’を移植した。穂ぞろい期となった8月8日に穂首節で穂を切除することでポット当たりの穂数を20、15、10本に調整し、8月10日にTGCに搬入して9月11日まで栽培した。 【結果】実験①玄米ヒ素濃度は出穂後1および2週目処理が無処理および3週目以降の処理よりも有意に高くなった。3週から5週間目に処理した区は無処理区と有意な差は認められなかった。実験②穂数制限により1穂当たりの炭水化物を増加させることが可能であった。玄米ヒ素濃度は日中平均気温の上昇に従って有意に高い値を示した。高温区と超高温区では玄米ヒ素濃度への穂数制限の効果は認められなかったが、露地区と微高温区では穂数制限により玄米ヒ素濃度が低減された。すなわち、穂数を制限して1穂当たりの炭水化物転流量を増加させることにより高温によるヒ素濃度の上昇を緩和できることが示唆された。
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現在までの達成度 (段落) |
令和5年度が最終年度であるため、記入しない。
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今後の研究の推進方策 |
令和5年度が最終年度であるため、記入しない。
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