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2021 年度 実績報告書

開花期制御を実現するための栄養開花メカニズムの解明

研究課題

研究課題/領域番号 20H02892
研究機関国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構

研究代表者

田中 伸裕  国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構, 作物研究部門, 主任研究員 (60646230)

研究分担者 神谷 岳洋  東京大学, 大学院農学生命科学研究科(農学部), 准教授 (40579439)
研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2024-03-31
キーワード窒素 / 開花 / 栄養開花 / GWAS
研究実績の概要

イネは低窒素条件において開花が促進し、その促進度合いには品種間差があること明らかにしている。前年度は短日植物であるイネは、品種によっては短日条件では開花までの期間が非常に短く、低窒素条件での開花促進度合の比較が難しいことが予想されたため、開花期が長くなる長日条件での開花促進度合いを品種ごとに調査し、その表現型データを用いたGWASから、低窒素条件による開花促進に関連する候補遺伝子を取得済みである。加えて主要な開花関連遺伝子の機能欠損体を長日条件かつ通常窒素、低窒素条件で栽培し、開花までの日数を調査した結果、長日条件においては、Hd3a, Ehd1, RFT1は低窒素条件による開花促進には寄与していないことが前年度に示唆された。一方で2021年に発表された論文では、高窒素濃度条件下ではイネのフロリゲンであるHd3aが開花促進に重要な役割を果たしていることが報告された。そこで短日条件下で窒素条件を変化させた栽培試験で、幼植物を用いた発現解析を行ったところ、水耕液中の窒素濃度が減少するに従ってHd3a, Ehd1, RFT1の発現が顕著に誘導されていた。以上の結果から既報の論文との相違点を明らかにするため、今後は短日条件下でも既知の開花関連遺伝子の変異体を栽培し、開花期を調査する計画である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

短日条件下で、水耕液中の窒素濃度を通常の1/2, 1/4, 1/10に制限した条件でイネを栽培し、開花関連遺伝子の発現解析を行った。その結果既知の開花関連遺伝子であるHd3aは、3週目の植物体では窒素濃度と発現量が逆相関していた。2週目の植物体におけるHd3aの発現量は窒素濃度に依存しなかったことから、低窒素によるHd3aの誘導は2週目以降に起きることが示唆された。また2週目におけるEhd1, RFT1は、窒素濃度を1/10にした場合でのみ発現が強く誘導されていた。これらの結果は開花関連遺伝子の発現誘導は植物体のステージと利用可能な窒素源に依存していることが示唆された。
短日条件下ではイネの開花は非常に早いため、品種間で差が出る条件の検討を行なった。次年度に変異体を用いた同様の試験を行う。

今後の研究の推進方策

GWASで得られた新規栄養開花遺伝子は転写因子であったため、その下流因子の同定を行う。また、RNA-seqを行うことで新規栄養開花遺伝子を同定する

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2022

すべて 雑誌論文 (1件)

  • [雑誌論文] Ionomic Profiling of Rice Genotypes and Identification of Varieties with Elemental Covariation Effects2022

    • 著者名/発表者名
      Chengming Zhang、Tanaka Nobuhiro、Dwiyanti Maria Stefanie、Shenton Matthew、Maruyama Hayato、Shinano Takuro、Qingnan Chu、Jun Xie、Watanabe Toshihiro
    • 雑誌名

      Rice Science

      巻: 29 ページ: 76~88

    • DOI

      10.1016/j.rsci.2021.12.007

URL: 

公開日: 2022-12-28  

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