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2020 年度 実績報告書

伝統的発酵食品由来乳酸菌を用いた腸内常在菌叢制御による腸管内ポリアミン濃度最適化

研究課題

研究課題/領域番号 20H02908
研究機関近畿大学

研究代表者

栗原 新  近畿大学, 生物理工学部, 講師 (20630966)

研究分担者 小柳 喬  石川県立大学, 生物資源環境学部, 准教授 (20535041)
芦田 久  近畿大学, 生物理工学部, 教授 (40379087)
松本 光晴  協同乳業株式会社研究所, 研究所, 主幹研究員 (50505972)
研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2023-03-31
キーワードポリアミン / 発酵食品 / 乳酸菌 / Staphylococcus
研究実績の概要

ポリアミンの摂取が動物の健康寿命延伸に大きく寄与していることが報告されている。発酵食品にはポリアミンを高濃度で含むものが存在し、このポリアミンは発酵微生物由来であると考えられる。これら食経験のある発酵微生物からポリアミンを高生産する細菌をスクリーニングできれば、その培養上清からポリアミン高含有サプリメントを作出できるほか、プロバイオティクスとして摂取した場合に消化管内でのポリアミン産生が期待される。
本研究では、様々な発酵食品から高濃度でポリアミンを産生する菌を分離することを目的として、発酵食品からMRS平板培地を用いて細菌を分離し、液体培養した分離株の培養上清中に含まれるプトレッシンの濃度をプトレッシンオキシダーゼを用いた簡易定量法でスクリーニングし、HPLCで定量した。
石川県産かぶらずしに由来するLactobacillus curvatus KP3-4の培養上清には167 μMのプトレッシンが検出された。一方で、プロバイオティクスとして用いられる代表的な乳酸菌およびL. curvatusの基準株のJCM 1096TとJCM 1091の培養上清からは、ポリアミンは検出されなかった。また、味噌に由来するStaphylococcus epidermidis FB146の培養上清には478 μMのプトレッシンが存在していた。一方で、代表的なStaphylococcus属細菌21菌種の基準株には、S. lugdunensis DSM 4804Tの培養上清中に数10 μMのプトレッシンが存在した以外には、ポリアミンは検出されなかった。
今後は分離したポリアミン高生産細菌の全ゲノムシーケンス等を通じて、ポリアミン高生産のメカニズムの解明を行い、動物実験等を通じて発酵食品由来細菌のポリアミンを通じた健康増進法を開発する。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

2種の発酵食品から2種のポリアミン高生産細菌を分離することに成功し、既に論文化を進めている。また、かぶらずし由来乳酸菌KP3-4についてはノトバイオートマウスを作成し、現在、糞便中のポリアミン濃度を解析中である。また、Lactobacillus curvatus KP3-4およびStaphylococcus epidermidis FB 146について、全ゲノムを解読中である。

今後の研究の推進方策

発酵食品からのポリアミン高産生菌の分離をさらに進める。また、全ゲノムを解読中であるLactobacillus curvatus KP3-4およびStaphylococcus epidermidis FB 146については、これらの発酵食品由来細菌のポリアミン高産生機構を遺伝子レベルで解析する。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2021 2020

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (3件)

  • [雑誌論文] Health-Promoting Effects of Dietary Polyamines2021

    • 著者名/発表者名
      Hirano Rika、Shirasawa Hideto、Kurihara Shin
    • 雑誌名

      Medical Sciences

      巻: 9 ページ: 8~8

    • DOI

      10.3390/medsci9010008

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] The importance of genetic research on the dominant species of human intestinal indigenous microbiota2021

    • 著者名/発表者名
      KURIHARA Shin
    • 雑誌名

      Bioscience of Microbiota, Food and Health

      巻: 40 ページ: 19~26

    • DOI

      10.12938/bmfh.2020-011

    • 査読あり
  • [学会発表] 発酵食品に由来する高ポリアミン産生菌Staphylococcus epidermidisの分離と解析2021

    • 著者名/発表者名
      白澤 秀斗、平野 里佳、栗原 新
    • 学会等名
      日本農芸化学会2021年度大会
  • [学会発表] Proteus mirabilisのプトレッシンエクスポーターPstSCABの同定2021

    • 著者名/発表者名
      平野 里佳、太田 宏一、杉山 友太、紺谷 優季、阪中 幹祥、栗原 新
    • 学会等名
      日本農芸化学会2021年度大会
  • [学会発表] かぶらずし由来プトレッシン産生乳酸菌Lactobacillus curvatus KP3-4の分離2020

    • 著者名/発表者名
      本田 涼将、白澤 秀斗、河田 明輝、平野 里佳、小栁 喬、芦田 久、栗原 新
    • 学会等名
      日本乳酸菌学会2020年度大会

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公開日: 2021-12-27  

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